【ブタ戦争】たった一匹の豚をきっかけに起きた戦争

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ささいな事件が戦争を引き起こすきっかけになるという話は歴史上珍しい事では無いが、おそらくブタ戦争(豚戦争)を超えるものはないだろう。
ブタ戦争とは、その名の通り一匹のブタが引き金となった戦争である。
19世紀初頭、イギリスとアメリカ両国がアメリカ本土とバンクーバー島の間に位置するサンフアン諸島の領有権を主張していた。


(画像)サンフアン諸島

その当時、その島にはアメリカ人移住者とハドソン湾会社の従業員であるイギリス人が居住していた。
戦争のきっかけとなる出来事が起こったのは、1859年6月15日のことであった。
その日、ライマン・カルターというアメリカ人農夫が、自分の家の庭に植えてあるじゃがいもを一匹の黒豚が食い荒らしているのを見つけた。
カルターはそれに憤慨し、その黒豚を撃ち殺した。
後にその黒豚はアイルランド人チャールズ・グリフィンの所有物であることが発覚した。
この出来事によってサンフアン諸島に入植していたイギリス、アメリカ両国間の緊張が高まり、カルターはイギリス側から、逮捕すると脅迫される。
アメリカ側がこの件を軍に報告すると、アメリカ軍はジョージ・ピケット大尉指揮の下に小規模な兵団をサンフアン諸島に派遣した。
ピケットが島全体の領有権はアメリカにあると主張すると、イギリスはそれに応戦するかのように強固に武装された艦隊を沿岸に派遣した。

Credit:wikipedia

(画像)豚戦争当時のサンフアン諸島

その後数週間にわたって膠着状態が続き、両国間の緊張は高まり続けた。
1859年10月、両国が交渉を行い島を共同で軍事占領することで合意し、ブタ戦争は誰一人の犠牲者を出すこともなく終結した。一匹の黒豚を除いて・・・。

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