サウジアラビアの古代遺跡マダイン・サーレハ(ヘグラとも呼ばれる)が、その2,000年の歴史の中で初めて一般に公開されることになる。
サウジアラビアは現在その主要産業を石油から貿易や観光業にシフトすることを試みており、今回のマダイン・サーレハの一般公開はその一環と言える。
Credit:wikipedia
(画像)マダイン・サーレハ
(画像)マダイン・サーレハ
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(画像)マダイン・サーレハ
(画像)マダイン・サーレハ
マダイン・サーレハは紀元前1世紀から紀元1世紀頃までナバテア王国の第二の都市であり、活気に満ちた貿易の中心地であった。
元々遊牧民族であったナバテア人は交易によって巨万の富を築き、ナバテア王国を豊かにさせたと考えられている。
ナバテア王国はアラビア半島北西部に領土を広げ、同地域に大きな影響力を保持していたが、西暦106年にローマに征服され消滅した。
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(画像)ナバテア王国の最大版図
(画像)ナバテア王国の最大版図
マダイン・サーレハは崖に彫られた創大な建築物が特徴で精巧な彫刻が施された111基の墓と、紀元前一世紀にまで遡る井戸が存在する。
装飾の様式はアッシリア、エジプト、フェニキアなど様々な文化の影響を受けており、遺跡の周囲に点在する碑文にはナバテア語の他にラテン語や古代ギリシア語など様々な古代言語の痕跡が残っている。
しかしナバテア人が彼ら自身の歴史を記した資料は存在せず、またナバテア人に関する考古学的な遺物も少ないため彼らについては不明な部分が多い。
そのため、マダイン・サーレハはナバテア人の謎を解くための重要な手がかりとなるだろう。
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