かつてのペルシア帝国に存在した小アジアの都市ダスキュレイオンの遺跡から、興味深いマスクが出土された。
このマスクは、約2300年前に作られたものとみられる。
Credit:Pen News
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この発掘作業を監督していた研究者によれば、このマスクはディオニューソス(ディオニュソス、デオニュソスとも表記)を模ったものである可能性があるということだ。
ディオニューソスは、別名としてバッコスとも呼ばれ、ギリシア神話に登場する豊穣とブドウ酒と酩酊の神である。
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(画像)豊穣とブドウ酒と酩酊の神ディオニューソス
(画像)豊穣とブドウ酒と酩酊の神ディオニューソス
そのため、このマスクはブドウ酒の豊穣祈願のための儀式に用いられていたと考えられる。この当時のマスクがほぼ完全な状態で見つかることは非常に珍しく、かなり貴重なものだそうだ。
しかし、このマスクが発掘されたアクロポリスからは、他に手掛かりとなるようなものは見つからなかったため、本当にディオニューソスを模ったものであるかどうかは不明だという。
ダスキュレイオンは紀元前547年にアケメネス朝ペルシアの中核的な都市として最盛期を迎え、紀元前334年にアレクサンドロス大王に占領されてからは、徐々にギリシア文化、ヘレニズム文化に染まっていた。
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(画像)発掘調査が続くダスキュレイオンの遺跡
(画像)発掘調査が続くダスキュレイオンの遺跡
もしこのマスクが本当にギリシア神話の神ディオニューソスであるならば、ギリシア文化の影響がダスキュレイオンにまで及んでいたことを示す証拠となるだろう。
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