※この記事にはミイラの画像が含まれるため苦手な方は閲覧に注意して下さい。
エジプトで発掘されたミイラの中には、まるで叫んでいるかのように口を大きく開けているものが存在する。
その表情はまるで喘ぎ苦しみながら息絶えたかのようだが、なぜそのような表情をしているのか?その理由については、確定的な事はわかっておらず、現在も研究が進められている。
主な仮説としては、
・口を開けた状態で息絶え、そのまま死後硬直した
・埋葬される際に包帯で顎をしっかりと固定されていなかっため、長い年月が経つうちに自然と開いてしまった
と言った理由が考えられている。
(画像)デル・エル・バハリ
「叫ぶミイラ」のうちの1体は、今から約140年前の西暦1881年、エジプトの遺跡デル・エル・バハリで見つかった。
そのミイラを包んでいた布には”Meritamun(メリトアメン)”と書かれていたが、古代エジプトにはメリトアメンと言う名の王妃は複数存在したため、未だそのミイラが一体誰なのかは不明である。
その身長は約150cm程度と小柄であり、年齢は50代と推測されている。歯は虫歯だらけで、根元まで腐っている歯もあった。
最近のCTスキャンによる調査では、その体に動脈硬化を起こした形跡が見つかった。
そのため、研究者の間ではその死因は心臓発作ではないかと考えられている。
(画像)叫ぶミイラ「メリトアメン」
もう1体の「叫ぶミイラ」も同じくデル・エル・バハリで見つかった。そのミイラの身元は判明しており、ラムセス3世の息子ペンタウアーだとされている。
ペンタウアーは父ラムセス3世の暗殺に関与したとして自害させられた後、内臓が取り除かれないまま粗悪な方法でミイラ化されていた。また、その体は羊の皮で包まれており、これは異例のことであった。
ファラオの殺害は当時のエジプトにとっては非常に重い罪であったため、見せしめの意味も込めて屈辱的な方法で埋葬されたと考えられている。
(画像)叫ぶミイラ「ペンタウアー」
これらのミイラがなぜ叫んでいるような表情を浮かべているのか、その理由が解明される日は果たして来るのだろうか?
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