この度ドイツとオーストリアの研究者たちが、エジプトのとある少年のミイラの生前の姿を、CTスキャンとCGの技術で復元することに成功した。
その少年のミイラは今から約2000年前に埋葬されたもので、1880年、カイロ南部に位置するハワラピラミッドの近くで発掘された。
生前の身長は約78センチ、年齢は4歳程度だとみられている。
そしてそのミイラの棺桶には、生前の容姿を描いた肖像画が張られていた。
Credit:ancient-origins.net
(画像)少年のミイラの棺桶と肖像画
(画像)少年のミイラの棺桶と肖像画
今から約2000年前の当時、エジプトでは画家がミイラの肖像画を描き、それを棺桶に張り付けるという習慣があったのである。
これまで、約1000枚のミイラの肖像画が発掘されているが、実際のミイラとその肖像画が紐づけられているのは約100枚程度である。
しかし、果たしてそれらの肖像画が、どれほど本来の姿を正確に描いたものかは今まで謎のままであった。
Credit:ancient-origins.net
(画像)少年の肖像画
(画像)少年の肖像画
ある研究者は、「この少年の肖像画は非常に正確に描かれている。ただひとつ例外として、実年齢よりも3、4歳年を取って見える以外は」と語る。
確かに4歳の少年にしては少し大人びて見える。
そして、今回CTスキャンと最新の3D技術によって復元された少年の姿がこちらである。
Credit:ancient-origins.net
確かに肖像画は実際よりも大人びて見えるものの、少年の特徴をよく捉えている。
この結果から研究者は、おそらくこの肖像画は、少年の死の直前、もしくは直後に描かれたものに違いないと語った。
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